ICT (Information and Communications Technology: 情報通信技術) は、電気電子工学を基礎として、光や無線による情報伝送、多様な機器を組織化するネットワーキング、ならびにマルチメディア情報の高度処理など様々な技術の集合体です。最近では、センサやロボットなど他分野と融合した研究も活発に行われています。通信工学コースでは、これらの技術の基礎理論から最先端の応用技術までをハードウェアとソフトウェアの両側面からバランスよく学習できる充実したカリキュラムを備えています。また、4年生になると研究室に配属されますが、各研究室は平成24年度に耐震改修を終えて以来、1研究室1フロアとなり、非常に快適な環境で学生生活を送れるようになりました。
通信工学コースは全国の国立大学において最初に設立された通信工学科の流れをくむ研究室によって構成されており、長年に渡って、最前線で活躍する数多くの技術者・研究者をICTの発展を支えてきた企業、研究所、大学へ送り出してきました。現在、ICTはあらゆる企業において必須の技術となっており、幅広い業界から求人があります。通信工学コースには情報通信に興味を持つ学生が集まることから、2割程度の学生は通信業者や放送局といった情報通信そのものを業務とする企業へ就職しますが、大半の学生は、電気電子機器、自動車、機械といった製造業、ICTシステム開発、ならびに電力・ガス・鉄道などのインフラ関連の企業へ就職しています。
1940(昭和15)
大阪帝国大学工学部に国立大学初の通信工学科を設立。
通信工学科は4講座で構成。
●第一講座(通信工学基礎理論)
●第二講座(有線通信工学)
●第三講座(無線通信工学)
●第四講座(電子工学、特殊通信工学)
1943(昭和18)
生駒山無線実験所開設。
1945(昭和20)
工学部が被災、当時通信工学科のあった本館も焼失。
1947(昭和22)
大阪帝国大学を大阪大学と改称。
1949(昭和24)
国立学校設置法公布、新教育制度による大阪大学工学部発足。
1953(昭和28)
新制大学院工学研究科設置に伴い、通信工学専攻を設置。
1970(昭和45)
吹田市大字山田上に移転完了。
1972(昭和47)
第五講座(情報工学)を設置。全5講座となる。
1987(昭和62)
大阪大学産業科学研究所音響材料部門が協力講座となる。
1996(平成 8)
大学院重点化に伴い、専攻を改組再編成。
通信工学専攻は2講座6領域と協力講座で構成。
●光電波通信工学講座
通信工学基礎論領域
電磁波工学領域
光電波通信システム工学領域
●情報通信システム工学講座
通信方式論領域
通信網工学領域
通信システム工学領域
●協力講座
高次推論研究分野(大阪大学産業科学研究所)
電子情報エネルギー工学専攻電子情報工学コース先端通信工学講座も専攻運営に参画。通信工学科、電気工学科、電子工学科、原子力工学科、および情報システム工学科の5学科を改組し、電子情報エネルギー工学科を設置。
これに伴い、通信工学科は電子情報エネルギー工学科通信工学科目となる。
2004(平成16)
国立大学法人大阪大学に移行。
2005(平成17)
法人化に伴い、専攻を改組再編成。通信工学専攻は電気電子情報工学専攻情報通信工学部門となる。
情報通信工学部門は3講座7領域と協力講座で構成。
●通信ネットワーク工学講座
ロバストネットワーク工学領域
フォトニックネットワーク工学領域
ワイヤレスネットワーク工学領域
●通信システム工学講座
メディア統合コミュニケーション工学領域
ワイヤレスシステム工学領域
●光電波工学講座
極限光通信工学領域
環境電磁工学領域
●協力講座
知能推論研究分野(大阪大学産業科学研究所)
知識システム研究分野(大阪大学産業科学研究所)
2006(平成18)
電子情報エネルギー工学科を電子情報工学科に改称。
これに伴い、電子情報エネルギー工学科通信工学科目は電子情報工学科情報通信工学科目通信工学クラスとなる。
2012(平成24)
建物の耐震改修完了。
2015(平成27)
通信ネットワーク工学講座ワイヤレスネットワーク工学領域を通信システム工学講座に配置換えし、サイバーセキュリティ工学領域に改称。
2017(平成29)
情報通信工学科目通信工学クラスを情報通信工学科目通信工学コースに改称。
工学部東野田学舎 (昭和16頃)
生駒山無線実験所 (昭和18)
電気系建物全景
工学部入口
電気系建物正面E3